2017 年衆議院議員選挙を終えて
2018 年 1 月 12 日
自由と平和のために行動する議員と市民の会 @ 杉並・事務局
衆議院議員選挙を終え、賛同人の皆さんからは69通のアンケートを寄せていただきました。ありがとうございました。アンケートにはたくさんのご意見やご提案があり、それぞれの立場で選挙に参加した皆さんの思いが語られていました。これを受けて@杉並として今回の選挙を振り返り、今後の活動について皆さんと話し合っていくため、事務局から総括とアンケートのまとめ、@杉並の今後の活動についての提案を行いたいと思います。
総 括
【めまぐるしい情勢の変化】
大義のない突然の解散総選挙発表後、小池百合子氏の希望の党立ち上げ、民進党の希望の党への合流宣言、小池氏の排除発言などなど、目まぐるしい情勢の変化に私たちも右往左往せざるを得ない状況でした。そんな中、市民連合の働きかけもあり立憲民主党が立ち上がったことは、私たちにとっての「希望」でしたが、あまりにも短い公示までの期間であり、共産党と立憲民主党の直接的な対話も充分とは言えませんでした。
【市民の声を十分に政党に届けられたか】
@杉並では 3 人の候補者や政党と話し合いを重ね、政策やお互いの応援についての合意形成を行なってきましたが、その 3 候補者が全員出馬する事態となってしまいました。
全国的に政党間での候補者の一本化は現職と元職国会議員が優先されていましたが、それは市民の活動が政党の常識を覆すほどに展開できなかった結果と言えます。政党に、東京8区の状況について地域の活動への理解不足や石原伸晃氏にはいずれにしても勝てないという思い込みがありました。
私たち市民はより大きな声となるよう地道な活動を広げ続ける努力をし、政党関係者の方々には地域の市民の声に真摯に耳を傾けていただき、力を合わせて良い社会を作っていける対等な関係を築かなければなりません。お互いにその努力が足りていないことの結果として、今回の事態は起こりました。
【急な解散による@杉並の準備不足】
いつ選挙があっても良いように準備しておくべきでした。市民ができる活動としての野党統一に向けた地域での強力な世論形成を、選挙に間に合わせることができませんでした。また、集団として力を持つために賛同人を拡大し、地域でのタウンミーティングを開催していくことなど、関係づくりのプロジェクトを始めようとしていたところでした。
市民運動の意見交換会などへ行くと@杉並の活動が大変注目されていたことは、ぜひお伝えしておきたいと思います。統一候補が擁立できなかったことで学んだことはたくさんあります。候補者や議員はもちろん、幅広く 8 区の有権者とつながりを得たことは、大変貴重な財産となりました。結果として野党統一はできませんでしたが、これほど盛り上がった選挙運動を展開できた選挙区はないのではないでしょうか。この力が統一候補に結集していたらどれだけのパワーが発揮できたかは計り知れません。それだけに、石原伸晃氏に勝てるかもしれない大きなチャンスを逃してしまったことは残念でなりません。
次の選挙で野党統一候補が勝つためにも、小さな違いを乗り越えてみんなで知恵と力を出し合っていきましょう。
賛同人アンケートのまとめ
【質問1】2017総選挙を振り返って、ご自由にご記載ください。
【質問2】今後の@杉並の活動をどのように進めていくのがよいとお考えですか?
アンケート最終締め切りは、2017年11月20日到着。
@杉並・事務局は、頂いたすべてのご回答を一覧にまとめ、何度も精読し要約をまとめて、賛同者のみなさんに1月12日に郵送いたしました。
その内容をこのWebページでも報告します。
【質問 1 】「選挙を振り返って」に対して
賛同人からの 69 通の回答がありました。一番多かったのは、「統一ができなくて残念だった」という声でした。
その他、回答のうちいくつかをご紹介いたします。
【選挙制度・社会情勢の問題】
- 希望の党の出現による撹乱があった。
- 選挙前 2 週間という短い期間では、なかなか一本化は難しく、自公の思うつぼだった。
- 自公政権に任せれば、とりあえず良いのではないかとみる若者が多い現象があったのかもしれない。
【@杉並の問題】
- 杉並の賛同人でありながら、何もしなかったことを反省している。(複数)
- 賛同人わずか 600 名では足元を見られた。17 名の区議× 2,000。34,000 人の賛同人がいても良いはずだ。
- @杉並の力が政党に圧力になるほどのものではなく、野党統一候補を望んだ有権者にも@杉並の存在が知れ渡っていなかった。
- 町会単位くらいでの賛同人を増やす、地域別の努力が必要だった。
- 会の賛同人である区議の一人ひとりが、この件で結集し、一枚岩になっている様子が見受けられなかった。
- 「議員と市民の会」であることの利点を、活用できていなかった。
【石原伸晃陣営の強さ】
- 危機感と財力があった。
- 町内活動、消防団、祭り、火の用心など日常のマメな活動があった。
小選挙区
石原 のぶてる(自由民主党) 99,863
吉田 はるみ (立憲民主党) 76,283
木内 たかたね(希望の党) 41,175
おさない 史子(日本共産党) 22,399
円 より子 (無所属) 11,997
斎藤 いくま (諸派) 2,931
小選挙区の選挙結果の分析
吉田はるみ+長内史子= 98,682 石原伸晃との票差 △ 1,181
吉田はるみ+長内史子+円より子= 110,679 石原伸晃との票差+ 10,816
比例区
自由民主党 76,828
公明党 18,297
立憲民主党 73,471 (自民との比率 95.6%)
希望の党 41,014
日本共産党 28,076
【質問 2 】「今後の@杉並の活動に対する意見」
意見 1 @杉並として継続し、次の選挙に向けて、また改憲阻止の活動をする。
- 市民運動は益々重要であり、来るべき次の選挙に向けて、あきらめることなく、区民に見える形で運動を広げよう
- 市民と立憲野党の統一候補擁立は最重要課題であり、@杉並が推薦しているからこの候補へ投票しよう、と思われるくらいに@杉並の認知度・信頼度を上げていこう
- 改憲に向けて加速される与党圧倒的有利の中、運動を後退させる選択肢はない。今後は憲法「改正」の「国民投票」阻止運動への幅広い受け皿、推進母体へとなるために、地元単位の憲法カフェ・タウンミーティングなどを積極的に開催し、@杉並の知名度を上げ、賛同人を増やしていくことを目指す。
意見 2 @杉並はこれから共闘の力で、区政問題・区長選に取り組む
- 区長選、区議会選挙も控え、様々な区政の問題を抱える中で、@杉並として、今後は区政に尽力してほしい。
意見 3 @杉並としては組織や活動を見直して新たな運動体で活動を
この意見の中には、「議員と市民であることの利点を日常の活動でも選挙時でもほとんど活用出来ていなかった」という指摘が多数ありました。市民からはこのほかに、
- @杉並としては解散して、個人や団体で区政問題に尽力すべき
- 当面改憲阻止などの活動は必要だが、メンバーの活動拠点が様々なので継続はむつかしいのでは
- 改憲阻止のチームとして動くのか、野党統一を立てる市民連合の役割を果たすのか目的を定めるべき
- 選挙に特化するのではなく、改憲阻止を目標に学習会活動を広げ人的ネットワークを充実させる
- 「野党統一候補擁立」への目標は役割を終えた
- 議員と市民を無理に結合することに固執せず、「市民連合の杉並支部」のような形で再スタートを切る、その方が市民も議員もお互いに動きやすい。
意見の方向性
「まずは市民の学習、懇談を深める。思ったことを言いあえる信頼関係を築き、共同体の意識が持てるような地道な活動を」、という意見に示されるように市民と政党、議員の信頼関係を重ねていくことが求められています。
@杉並・事務局ではこのまとめをうけて、杉並区内3カ所での連続タウンミーティングを計画しています。ご参加ください。